CRTグローバルダイアログ(アーカイブ)

年一回開催されているグローバルダイアログでは、世界から様々なビジネスリーダーが集い、お互いに企業が果たすべき社会的責任について活発な議論を展開しています。

第18回CRTグローバル・ダイアローグ報告

【2003年7月7日~9日 Caux Switzerland

CRT日本委員会事務局アシスタント・コーディネーター 石田 寛

2003年のCRTグローバル・ダイアローグは、2003年7月7日(金)~9日(日)まで開催され、世界各国から約40名のビジネスリーダーたちがCRT(経済人コー円卓会議)の発祥地であるスイス・コー(Caux)のマウンテンハウスに4年ぶりに集いました。

日本からの参加者は、以下の10名でした。
  • 金子尚志(CRT日本委員会会長、NEC名誉顧問)
  • 内田勲(横河電機社長)、清子 ご夫妻
  • 船橋晴雄(シリウス・インスティテュート代表取締役)
  • 佐久間健(CRT日本委員会アドバイザー、コミュニケーション戦略研究所代表)
  • 近田高志(日本能率協会)
  • 森宮千尋(日本能率協会)
  • 金子保久(元松下電器産業)
  • 須田康司(NEC、CRT日本委員会コーディネーター)
  • 石田寛(CRT日本委員会アシスタント・コーディネーター)

  • ■2004年CRTグローバル・ダイアローグの日本開催が決定
    2003年7月7日(月)GGB(Global Governing Board)において、多くのGGBメンバーから2004年のCRTグローバル・ダイアローグを日本で開催することが可能かどうか意見が集中しました。そして金子会長からは橋本名誉会長を通じて、すでに経団連ゲストハウスを2004年10月22日(金)~24日(日)に予約をしていることを言及され、その場で日本開催が承諾されました。

    ■今後日本におけるSAIP(※1)導入に向けた戦略の基本方針についての合意
    7月8日(火)には、マウンテンハウスのテラスにおいて金子会長を初めとするCRT日本委員会事務局(須田氏、石田)、今後欧州でもSAIPの導入を検討しているメンバーとSAIPの開発に携わったCRT米国チームのメンバーが、今後日本におけるSAIP戦略について意見交換を行いました。特にCRT米国チームは、ここ半年間で日本が猛烈な勢いでSAIPの日本導入に向け動いていることに驚きの様子を隠せず、このままでは日本のSAIP-JAPANプロジェクトチームに先を越されるとの危機感を抱いておりました。引き続き、日米欧のCRTメンバーが各地域においてSAIPの導入に向けて、お互いに情報の共有化を図りながらいくことになりました。
    今後、日本におけるSAIP-JAPANプロジェクトに関しては、以下の4項目に着眼点をおきながら、プロジェクトを推進していくことを報告し、予定では2004年10月に日本で開催されるCRTグローバルダイアローグにおいてSAIP-JAPANの成果(結果)を発表する方向で準備することになりました。

    ※1:SAIP(Self Assessment & Improvement Process)は、「CRTの一般原則」に基づいて、米国CRT(Caux Round Table)チームを中心に議論を重ねて開発されたものである。

    日本におけるSAIP導入に向けた戦略の基本方針についての合意の内容
    1.「CRT一般原則」における真意の分析作業を行う。
    2.日本導入に向けたSAIPの商品開発を行う。
    3.PR活動(特にCRT及びSAIPの認知度(ブランド)を高める)を行う。
    4.日本においてCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の認知度を高めるための活動を行う。

    ■ダイアローグについて
    このダイアローグでは、「責任あるグローバル化のための原則について」をテーマに以下の2点を中心に議論が展開され、多くのビジネスリーダーが積極的にディスカッションに参加されました。

    1.高齢化問題・・・先進国(特に日本)における高齢化社会問題について、各自がどのような形で考えを持って、貢献できるのか多くの意見が寄せられました。
    2.足るを知る(無駄をなくす)・・・次世代のビジネスリーダーが注目しなければいけないのは、無駄な商品や在庫をいかに減らすのか問われており、これが高齢化社会や貧困問題解決に向けた重要なテーマになるとの意見もありました。

    ■開会挨拶 「新しい世界経済の構造やシステムの必要性について」
    ジョージ・ボイタ グローバルCRT会長
    グローバル経済の成長を継続するためには、ビジネスリーダーが真剣に貧困問題解決向け世界経済の構造やシステムを変革していくのか、またそれをどう実践していくことができるのか、この国際会議を通じて一人ひとりが考えてほしいと強調されました。
    最近の動きとして、多くの国際機関(国連、世界銀行等)やコンサルタント会社(PWH等)との会合を通じて、民間企業が世界経済や金融市場の問題解決に果たす役割が大きくまた期待されていることにも振れました。

    ハーマン・ウァイフルズ(Herman Wijffels) 議長
    ハーマン氏は、グローバリゼーションの中で、CSR化の動きが継続していくためには企業が「足るを知る」という考えを持つことが必要であることに加え、更にビジネスリーダーがステークホルダーとのリレーションシップの質を高めることを言及されました。

    ■「高齢化社会がビジネスと文化に与える影響について」
    リチャード・ジャックソン(Richard Jackson)
    高齢者が全人口の占める割合については、通常であれば、人口の2~3%が社会が維持できる最適なレベルであるが、現在の先進国では約15%、そして40年後には30%まで上昇し、特に欧州と日本では40%まで上昇するとコメントした途端に会場内に緊張した空気が流れました。
    この根本的な問題に関してリチャード氏は、最近の先進国の経済状態が悪化し、収入が減少している一方で養育費が嵩んでいるためであり、少子化(一人っ子)によることが寄与していることを強調され、先進国における少子化・高齢化問題が世界の秩序を変えるかもしれないという深刻な問題を投げかけました。
    またリチャード氏からは、こんなコメントが最後にありました。「日本の厚生省の試算によると21世紀の終わりには、日本の人口が現在の3分2まで減少し、やがて一人になるでしょう。」

    ■「グローバリゼーションにおける法律について」 ロード・ブレナン(Lord Brenan) ブレナン氏は、まず我々の世界には様々な文化が混在していることを把握すると共に、お互いの違いを認め合い、尊厳し合うことが重要であると言及されました。またこの世界の秩序は、政治、多国籍企業、NGO、市民が関わっていますが、特にここでは企業の経営者が一番の力を持っており、その経営者が道義的精神に基づいて、活動をしなければ簡単にこの秩序は崩壊するという警告を促しました。
    またブレナン氏によると、このような状況下において、弁護士が企業の経営者に対して、真のグローバル化についてのアドバイスができるような環境を整えることが必要もあり、その中でCRTが他のスタンダード(特にIBA:International Bar Association及びCCBE:European Bar and Law Society Association)と連携強化を図りながら、CSRにおける具体的なプロジェクトを推進していくことを期待していることを強調されました。

    ■「高齢化の人口統計と人口の低下について」
    リチャード・ジャクソン(Richard Jackson)
    グローバルの高齢化問題については、特に先進国(欧州、日本)を中心に財政(年金)の破綻が深刻化し、人口の低下や世界経済の停滞に繋がることになることを強調されました。その主な原因としては、発展途上国を中心に乳幼児の早期死亡と先進国における長寿による高齢者の増加問題が挙げられており、これを解決するためには、財政問題、労働力の強化、不景気からの脱却、金融体制の強化、軍事費の削減について、積極的に取り組んでいく大切があると重ねて申されておりました。

    ■ディスカッション
    横河電機内田社長(コメント)
    最近世界(特に先進国)では、様々な物が数多く無駄(スクラップ)として廃棄されています。特に作物、工業製品などの無駄を無くせばどうでしょうか。またこれが発展途上国などへ循環できるようなシステムを構築することができたらどうでしょう。また無駄な生産をなくせば社員たちにとって余暇の時間が増え、高齢者をケアする時間ができます。このCRTがこのような無駄な部分を削除できるようなシステムを構築することを考えることを提案したいと思います。

    以 上

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