最新情報
(2016年3月2日更新)
- CRT日本委員会と人権ビジネス研究所(IHRB)は、「持続可能性に配慮した運営計画のフレームワーク」および「持続可能性に配慮した調達コードの基本原則」に対する意見と「2020年東京オリンピック・パラリンピック 持続可能性に配慮した調達コード(案)」を組織委員会に対して共同提出いたしました。詳細はこちら。
- 「2020年東京オリンピック・パラリンピック フード・ビジョン(案)」を掲載しました。詳細はこちらから。
- 当会の2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてはこちらから。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの真の「成功」とは
「2020年東京オリンピック・パラリンピックを成功させる」
多くの人々がそう言います。しかし、私たちは「成功」の意味を考える必要があります。それは、1964年に開催された際のそれと同じではありません。
1964年の際の「成功」とは、
・オリンピックを無事に開催すること
そして
・オリンピックを契機として社会インフラの整備を図り、社会全体の発展を図ること
であったといえます。
しかし、その結果得られた発展は高度経済成長という形で花咲きましたが、その一方で公害の問題や地域間格差の増大などの負の要因ももたらしました。
今回私達が目指すべき「成功」とは、このような負の要素を限りなく排除した形のものとしなければなりません。
東京オリンピック・パラリンピックが「成功」するか否かについて、世界中の人々が関心を持っています。世界が注目するこの場所は、サステイナビリティに関心をもつ人々にとって、自身の声を届けるための最高の「舞台」です。この機会を最大限に活用するために、彼らはさまざまな方法で実行委員会や関連企業に自らの主張を伝えてくることでしょう。
そのような東京オリンピック・パラリンピックを「成功」に導くためのキーワードがサステイナビリティです。世界は、サステイナビリティに配慮したオリンピック・パラリンピックの実施を求めています。それは、何事もなく無事かつ安全に開催されることだけではなく、開催後にもポジティブな効果が持続する(レガシー)ものとなることです。東京、日本、そしてアジアにおいて潜在化あるいは顕在化している問題を認識し、オリンピック・パラリンピックという機会を用いて、この解決に向けてポジティブな影響力を行使していくことです。東京オリンピック・パラリンピックの「成功」を目指すのであれば、この世界の期待に応える必要があります。
企業にとってのチャンス
東京都は東京オリンピック・パラリンピックの実施にあたって、多くの企業に資金やモノやサービスの提供を求めることでしょう。これらの企業は主にスポンサー、サプライヤー、ライセンシーという形で実行委員会と契約を結ぶことになります。東京オリンピック・パラリンピックの「成功」は、いかに実行委員会がサステイナビリティに向けた取り組みについて、関連企業と協力できるかにかかっています。
企業はこの機会を、自身にとってのチャンスと捉えることもできます。これまで進めてきた自社のサステイナビリティに向けた活動を、グローバルの文脈から捉えなおす絶好の機会です。これを機に、日本での常識が世界での常識とは限らないということを痛感するかもしれません。さらに、CSR部門だけではなく、調達や広報、営業、経営企画、危機管理部門等と連携を図る格好の機会ともなるでしょう。
企業がこの機会をチャンスとして活かすためには、戦略的な思考が求められます。まずは、 ①自身のサステイナビリティに関する活動を整理し、サステイナビリティに関する日本とグローバルでの意識ギャップを整理して、 ②サステイナビリティに関心を持つ人々や団体は、彼らの目的を達成するためにどのように企業を使うだろうか?そこに自社がどのように関わりうるだろうか?ということを考える必要があります。 ③そして、その取り組みを世界に発信する必要があります。
当会の活動との関係性
CRT日本委員会では、企業のバリューチェーンに沿ってサステイナビリティに向けた取り組みを整理し(※1)、事業継続性・生産性の向上・評判リスクへの対応という3つの観点から、サプライチェーンCSRに取り組むことの重要性を企業およびNGO/NPOとともに考えてきました(※2)。
さらに、2012年12月という東京都が未だ招致活動を行っている段階において、サプライチェーンCSR推進の上で、オリンピック・パラリンピックが一つの契機であり追い風となることを示し、学んできました。
(※1)「ステークホルダー・エンゲージメントプログラム」のページをご覧ください
(※2) 「サプライチェーンCSR」のページをご覧ください
CRT日本委員会では、日本企業が東京オリンピック・パラリンピックを通じて世界にポジティブな影響力を行使することで、その国際競争力を高めることができると考えています。そういった考えの下、関連企業とオリンピック・パラリンピックとサステイナビリティへ関わりについて考え、その実践を支援してまいります。