<新年のご挨拶>胆力と正当性の担保を磨きましょう!
当会も本日(1月5日)から仕事初めになります。今年もこれまでと同様に皆さまと共に「ビジネスとヒューマンライツ(人権)」に関する様々な取り組みを以下のように進めていきたいので、よろしくお願いします。
2017年は、英国現代奴隷法のように他の欧米政府も追随する形で規制をさらに強化する動きが顕著になり、また日本企業にとっては2020年東京オリンピック開催に向けてスポンサー企業だけではなく、NGO団体からの攻撃がますます強まってきます。つまり、そこで「ビジネスとヒューマンライツ(人権)」で問われていることは、企業がいかにしてNGOからの攻撃にも耐えられるような「胆力」と「正当性の担保」をことができるのか、その手順を間違えることなく、本気で考えて実践していくことです。
そのためには、私なりに以下の5つについて考えており、皆さまにも情報を共有化しておきたいと思っております。
1.各社の企業文化やビジネス活動と社会が求めている姿が合致(ベクトルを合わせる)できるよう、シンプルで分かりやすくシームレス(点から線へつなげていき)なストーリーにして、ステークホルダーに各社の取り組みを伝えやすいような『フレームワーク』を有効に活用すること。例えば、「サステナブル・ナビゲーション」を通じた自社の取り組みステップを明示することがあげられます。
2.各社が「ビジネスとヒューマンライツ」の取り組みを行う際に養うべき「胆力」とは、1社単独で全ての要件を対応することはできません。そこで、他の企業やNGO団体とも連携し、双方で学び合える場として『プラットフォーム』に積極的に参加ではなく参画することです。『プラットフォーム』は、例えば「苦情処理メカニズム」、「ステークホルダーエンゲージメントプログラム」、「パーム油の小規模農家」などがあります。
3.苦情処理メカニズム(KAIZENメカニズム)については、当会としても本格的に取り組みを開始する予定です。その前に本来何をすべきか、多くのステークホルダーを巻き込みながらその体制を形あるものに作り上げていきます。そのためには勉強会を開催し、その後このKAIZENメカニズムのガイドラインを策定し、世界に向けてパブコメを行い、合意を得ていきます。
4.「ビジネスとヒューマンライツ」に強い関心を持ち始めている機関投資家や調査会社に対し、企業を評価する側がどのようなスタンスと評価項目でチェックするのか世界で議論が活発化しており、パイロットテストが行われています。この取り組みを日本でも支援できるように現在QUICK ESG研究所と連携しながら『Corporate Human Rights Benchmark(CHRB)』の浸透&普及に向けた取り組みを積極的開始していきます。
5.日本企業のプレゼンス向上に向けた取り組みの一貫として、主に以下のようなプログラム(予定)をご準備していきます。ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。
1月
苦情処理メカニズム(KAIZENメカニズム)勉強会開始(1~4月)
個別課題解決プロジェクト:パーム油小規模農家対策
5月
ステークホルダーエンゲージメントプログラム
in タイ、マレーシア、ミャンマー(5~6月、10月)
6月
ステークホルダーエンゲージメントプログラム in 日本(6~7月)
KAIZENメカニズムパイロットプロジェクト開始(6月~12月)
7月
Mega-Sporting Events and Human Rights in Swiss
8月
ESG投資家(非財務情報開示)や調査会社とのダイアログをロンドンとニューヨークで開催
9月
2017 Conference on Business and Human Rights in Tokyo(国際会議)(9/11~15)副題:責任あるサプライチェーン
1)クローズドイベント
①9/11 Mega Sporting Events & Human Rights
(東京オリンピック大会に向けたダイアログ)
②9/12, 14 個別企業のダイアログ
(サステナブル・ナビゲーションのSTEP Jに該当)
③9/14 ステークホルダーエンゲージメントプログラム
2)オープンイベント(国際会議:9/15)
①Corporate Human Rights Benchmark
②パーム油小規模農家の対処
③REMEDY(救済)
10月
ステークホルダーエンゲージメントプログラム報告会(タイ: 10/18、マレーシア: 10/19)
11月
UN Forum on Business and Human Rights in スイス
当会としても、微力ながら皆さまのお役に立てれば、幸いだと思っております。
引き続き本年もよろしくお願いします。
CRT日本委員会 石田