サステナブルなイベントの作り方 ~ロンドンオリンピック・パラリンピックでの事例から学ぶ~ 開催報告
日 時 | 2014年3月18日(火) 午後3時30分から午後5時30分 |
会 場 | 関西学院大学東京丸の内キャンパス ランバスホール |
主 催 | 経済人コー円卓会議日本委員会 株式会社セレスポ SGSジャパン株式会社 |
2014年3月18日、経済人コー円卓会議日本委員会は、株式会社セレスポ及びSGSジャパン株式会社との共催で「サステナブルなイベントの作り方~ロンドンオリンピック・パラリンピックでの事例から学ぶ~」を開催しました。当日は33の企業・団体から42名が参加し、サステナブルなロンドンオリンピック・パラリンピックの実施に関わった方々から、その経験について発表いただきました。
株式会社セレスポの稲葉社長は開会の挨拶において、イベントのサステナビリティに対する社会の期待やそれを通じた満足度の高まりに触れ、東京オリンピックを成功に導く上で、サステナビリティやこれに関する国際的な基準を遵守することの重要性を述べました。その後、サステナブルイベント社のフィオナ・ペラム氏が「サステナブルなイベント運営のためのスタンダード – ISO20121」と題して講演を行いました。ペラム氏は、「持続性のある、経済活動、環境への配慮、社会発展に向けたバランスの取れた取り組みのプロセス」との英国規格協会(BSI)での定義を紹介した上で、イベントマネジメントの持続可能性に関する国際標準規格であるISO20121について説明しました。続いて、ビデオメッセージという形で、リチャード・ジャクソン氏(ODA)はインフラ建設に関して、サイモン・ルイス氏(元WWF UK)は企業スポンサーに関して、アスマ・ジーナ氏(LOCOG)はセキュリティに関して、それぞれロンドンオリンピック・パラリンピックにおける取り組みを紹介し、東京オリンピックへの期待について述べました。
参加者からの質問に答えて、ペラム氏は以下の3点についてコメントしました。
1、 その他のISO規格と比較した際のISO20121の特徴は、サステナビリティを中心に位置づけていること、イベント業界向けに策定された基準であること、そしてステークホルダーが重要な役割を担っていることにある。
2、 ISO20121のような国際基準を適用しながらサステナブルなイベントを実現することで、日本は世界からよい評価を得ることができるだろう。日本は、そこにおいてイニシアティブを発揮する大きなオポチュニティを有している。実践なくして成果はでない。保証は、あくまで実践の結果として得るバッチ(印)である。
3、 基準の中で報告が義務付けられているわけではないが、例えば自組織のウェブサイト上等で、Global Reporting Initiativeの持続可能性報告の内容に沿って自身の取り組みについて報告し、ステークホルダーとのコミュニケーションを図ることは重要である。
活発な質疑応答の後、経済人コー円卓会議日本委員会の石田寛事務局長が閉会の挨拶を行いました。石田は、東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けたキーワードとして、講演やビデオメッセージに登場した「レガシー」「ステークホルダーエンゲージメント」「パートナーシップ」「インパクト」を取り上げました。(そしてこれに関連して、経済人コー円卓会議日本委員会が主催する「ステークホルダー・エンゲージメント・プログラム」を紹介しました)さらに、「2020年東京オリンピック・パラリンピック時には、さまざまなサステナビリティ関連課題が存在しているであろう。また、様々な国々から多くの人々が東京を訪問することにもなるだろう。これに対して我々は何をすることができるだろうか?」と述べ、2020年に向けた、我々が抱える挑戦について今後より議論を積み重ねていく必要性に触れました。