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16
6月
2014

EICCの取組のご紹介 ~ビジネスと人権、ステークホルダーエンゲージメント~ 開催報告

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日 時 2014年6月16日(月)午後4時30分~午後6時30分
会 場 関西学院大学東京丸の内キャンパス ランバスホール
主 催 経済人コー円卓会議日本委員会
Electronic Industry Citizenship Coalition
(EICC: 電子業界CSRアライアンス)
後 援 一般社団法人 電子情報技術産業協会 (JEITA)

2014年6月16日、経済人コー円卓会議日本委員会は、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の後援のもと、ビジネスと人権に関する会議をElectric Industry Citizenship Coalition (EICC: 電子業界CSRアライアンス) と共催いたしました。35団体から47名が参加し、「人権とビジネスはどの様に関係しているのか」、また、「ビジネスの人権に与える影響(インパクト)を理解し、表明し、人権を尊重しながら影響(インパクト)を緩和するため、ステークホルダー・エンゲージメントとサプライチェーン・マネージメントを通して、どの様な効果的な戦略が実施できるのか」について、明確な取り組み方法を学びました。

開会の挨拶において、NECソリューション調達本部調達改革統括部シニアエキスパート、吉野浩氏より、EICCが紹介され、EICCの「電子業界行動規範」は、ステークホルダーとの協力による継続的改善の取り組みにおいて進化(発展)をもたらすツールであること、その取り組みにより、EICC加盟団体・企業に対する確固たる評価と信頼が構築されたことを述べました。 さらに、EICCの様な業界団体が、一社単独では解決できない業界の抱える問題に対して共同で対応し、パフォーマンスを改善することが重要であることも言及しました。

EICCの特徴としては、加盟企業(95社以上)が、設計や製造からサプライヤーに至るまで、電子業界のサプライチェーン全体にわたっていることを指摘し、このことが、EICCが最終的な廃棄に至るまでの製品ライフサイクルの全てのステージ(段階)における人権への影響(インパクト)を表明し対応する際の競争優位性となること、また、それによってEICCの目的であるグローバル・サプライチェーンにおける効率及び、社会的・倫理的・環境的責任の改善が図られてきたことを説明しました。

ジュリー・シンダル氏の講演は、(1) 人権への影響(インパクト)、(2)「人権の尊重」のため社内の体制整備、(3)ステークホルダーとの積極的なエンゲージメントと、その過程におけるコミュニケ―ションの重要性、という順序で行われました。

企業が人権に対する責任を果たすための、この(1)から(3)までのプロセスの基本には、労働者の安全、公平性、環境責任、事業(経営)効率を確保するために規定されたEICCの「電子業界行動規範」があり、全てのEICC加盟企業は、これまで自社の行動規範を、継続的な改善を重視するEICCの行動規範に基づいて調整してきました。 現在、改訂版の作成に向けたコンサルテーションを実施しているところです。 このプロセスが「ビジネスと人権に関する国連指導原則」に啓発され、業界団体(EICC)と個々の企業の間においてそれぞれの責任の特定と配分を進めていることは、非常に重要なポイントとして言及しておかなくてはなりません。

次に、この業界行動規範に記されているコミットメントを実行するための方法が述べられました。 全ては、ステークホルダーのニーズと期待を理解すること、正直な信頼関係の醸成できる環境における関係性・対話・エンゲージメントの強調(強化)をはかることに始まります。この正直な信頼関係の醸成できる環境において、ステークホルダーの期待が表明され、もしも企業が期待に応えられない場合は、何が問題なのかを解明しなくてはなりません。 また、全ての利害関係者・組織が考慮され、それぞれに適切に対応することが必要となります。

さらに、ステークホルダー・エンゲージメントに纏わる問題、例えば、コミュニケーション上の問題や、共通の理解の欠如、妥協を嫌う姿勢、影響力(インパクト)を実行する能力の不在、官僚主義、等に対応するため、次の3つの質問 「誰とエンゲージメントを図るのか」、「何故ステークホルダー・エンゲージメントが必要なのか」、「どの様にエンゲージメントを行うのか」に回答する形で、詳しい解説がありました。

これらの問題は全て事業リスクと関連しており、いかに「事業の継続」を確実なものとするか、という問いに対する解答の1つは、「透明性と説明責任」と「迅速な応答」という2つのコミュニケーション・レベルの維持すること、とシンダル氏は述べています。 ステークホルダーが企業の行動やコミットメントについて知っているべきであるのと同様に、企業は、 例えばコミットメントの1つが実行できていない場合には、誠実かつ関連性のある対応(救済)策を迅速に講じ、この問題が解決されたことをステークホルダーに報告する体制が出来ていなくてはなりません。 情報の共有を通じた教育と、信頼感に基づく関係性の構築は、サステナビリティのコミュニケーションにおける主要な特徴なのです。

EICCのプレゼンテーションの後、CRT日本員会専務理事事務局長の石田寛より、CRT日本委員会の紹介と「人権とCSR」への関わりについて説明がありました。 CRT日本委員会は「ステークホルダー・エンゲージメント・プログラム」と「人権デューデリジェンス・ワークショップ」を通して様々なレベルで日本企業を支援していること、オリジナル構想である「サステナビリティ・ナビゲーション・フレームワーク」を使うことにより、今セミナーでも解説されていた、企業内のCSR戦略の段階(フェーズ)を容易に、且つより幅広い枠組みで確認することができることが言及されました。

最後の質疑応答の際のシンダル氏の回答より:

―我々は物事を見るときの焦点を、「消火活動的な」reactive (受動的)焦点から proactive (積極的)焦点へ切り替えなくてはなりません。この切り替えにより、 企業がどこに影響力(インパクト)を持ちうるのか、何処で不正に直接的に関与してしまう可能性があるのかを確認でき、問題が段階的に拡大して大きなリスクとなってしまう前に、対応することが可能だからです。―

―持続可能性(サステナビリティー)についてコミュニケーションする際の最も重要な課題は (1)企業とステークホルダー間だけでなく社内の組織(部門)間にも橋を掛けること、 (2)持続可能性(サステナビリティー)が理解されるように伝えるためには、“product value marketing” (製品価値をマーケティングすること)と持続可能性を結びつけることが重要である、ということです。―

最後に、石田より、CRT日本委員会が2013年から開催している「CSRとリスクマネジメントに関する会議」に関して、今年の会議では「ビジネスと人権に関する国連指導原則」をガイダンスツールとして用いながらCSRリスクの管理手法を学ぶこと、欧州の多彩な団体、人権とビジネスに関する専門家が参加する国際会議となることについて、告知を行いました。

 

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